従来の磁気探査器
従来の磁気探査器は、水平方向360度のどこかに磁性物体があるという探査結果でした。
下図参照

従来の磁気探査模式図

地中に掘削したボーリング穴から、磁気センサーケース(磁気センサーA,B)を挿入し、磁性物体Xを検知する場合、「A.磁気センサー」と「B.磁気センサー」の2ヶの磁気センサーで感知した磁性量の差を増幅して、磁性物体Xの存在を確認します。深さを変え、随時このような探査をします。磁気センサーA,Bは360度周囲の検知範囲を持つため、磁性体の反応方向が判明しませんでした。このような探査による問題点と原因は以下のような事項になります。
  1. ボーリング孔のどの方向に磁性物体が存在するか判らない。磁性体Xと磁性体Yのどちらに磁性体が存在しても同じ結果となる。
    原因:磁気センサーに指向性がない。
  2. 磁性体が複数存在してもその個数が判明しない。磁性体XYが存在する場合、結果は大きな磁性体が存在するという事になる。
    原因:磁気センサーに指向性がない。
  3. 磁性物体の形状(ボリューム)により深さの位置に誤差がでる。
    原因:磁気センサーの感度が悪く、磁気センサーA,Bの引算増幅を行うため
       平均的な数値がでる。
  4. 計測が自動化できない。
    原因:磁気センサーの位置を計測器が検知できない。
従来の磁気探査器の起源

従来の磁気探査器は、海中の沈没船、海底ケーブル、不発弾、その他鉄を探査する目的で作られた探査機器です。海中で探査する場合、磁性物体は海底にあることは明白であるため360度の磁気反応で良いのです。また、探査対象物が大型であるため、感度が低いことも大きな問題とはなりません。従来の磁気探査器は、探査船で曳航し磁性物体を探すものです。
下図参照

従来の磁気探査器の使用目的

従来の磁気探査器はこのような使用目的で作られたものを、地中探査に転用しているのです。これでは探査結果が満足のいくものは得られません。